無意識と潜在意識

人の意識レベルには顕在意識、無意識、潜在意識があります。コーチングに関わってくるのはこの中の「無意識」と「潜在意識」です。具体的に言うと顕在意識は、一般に言う「意識」で「映画を見に行こう」とか「ご飯を食べよう」と言った意志です。それに対して無意識は、「朝起きたら顔を洗う」とか「通勤の時ここで乗り換える」とか意識をしないで行動している状態です。もしあなたが新しい会社に初めてに通勤をするのであれば、「この電車に乗って、ここで乗り換えて」と意識するはずです。でもしばらく通っているうちに、何も考えずに会社までつけるようになります。タスクを繰り返すことによって、無意識のうちに達成できるようになっていきます。

潜在意識は無意識と良く混同されますが、潜在意識は「自分では自覚することはできないが、あなたの行動に影響を与える意識」です。これは育った環境や、経験教育によって左右されます。もちろん潜在意識に最も大きく影響を与えるのは親の考えです。


コーチングではこの無意識と潜在意識に働きかけて、あなたの中に眠っている能力を引き出していきます。意識して「やらなければいけないこと(タスク)」を長い時間続けていると、あなたの脳は悲鳴を上げてきます。それに耐えてタスクを繰り返し行わなければ、タスクは無意識に行えるようにはなりません。これが職人さんで言う「修行」です。これは苦しい上に一人前になるまで長い時間を要します。

私のコーチング方法は潜在意識に働きかけて、無意識でタスクをこなせる状態を作っていきます。私はこの無意識でこなせるタスクの多さが、その人の「」であると考えます。料理人であれば、板前の器ができれば、自ずと板前になっていくし、金銭的成功を望むなら、お金持ちの器ができれば、自ずとお金持ちになっていくのです。つまり脳の無意識でこなせる領域を広げていけば、その人の器も大きくなっていくのです。江戸時代後期の国学者、平田篤胤は「惟神(神道)の修行は魂を大きくするためだ」言っていますが、魂を大きくすることは、言い換えれば器を大きくすることといえるのではないでしょうか?

無意識でできることの多さ=その人の器の大きさ

私のコーチングの目的はこの「器」を広げることです。無意識でできる領域を広げるには上記したように長い月日がかかります。板前であれば10年の歳月が必要です。しかも修行はつらくて苦しく、挫折しやすいのです。

では潜在意識に働きかければすぐ成功が導かれるのでしょうか?この考えを提唱したのがジョセフ・マーフィー氏です。彼は「潜在意識に自分の願望を刻みこめばそれは叶う」という理論を唱えました。言うのは簡単ですが、潜在意識に自分の願望を刻み込むのも、職人の修行に匹敵する労力を必要とするでしょう。コーチングや自己啓発でこの説を唱えている人は多いのですが、どうやって願望を刻み込むかという具体的な方法はハッキリと書かれていません。強く思ったぐらいでは潜在意識下には到達すらしません。

前にも言いましたが人間は潜在能力の10%しか使用していません。これは人間だけでなくすべての動物はそうです。なぜなら動物は生存の危機に遭遇したときに、潜在能力の100%近い能力を発揮するように作られているからです。言い換えると生存の危機に関係ないときはなるべく能力を温存しようとします。

軽自動車とフェラーリを比べてみましょう。フェラーリは300km/hで走行できるように作られているため100km/hで長時間走ることができます。もし軽自動車を100km/hで長い間走らせれば、確実にエンジンがブローします。これが器の大きさの違いです。ギリギリの力で走り続けるというのは非常に負担がかかります。人間も同じで、今使ってる能力を少しでも上げようと意識すると、脳が苦痛を感じ始めます。ですから能力を向上させるためには、少しづつその苦痛に耐え、器を大きくしていくしかないのです。どんなに自分が金持ちになりたいと念じても、現在貧乏であれば、潜在意識はそれを認識しています。つまり金持ちになった経験が無ければ、どんなに繰り返し「金持になりたい」とか「自分は金持だ」と唱えたとしても、潜在意識が金持ちになる変化を受け入れないのです。

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自分にとって肯定的な宣言をする事をアファメーション(Affirmation)といいます。潜在意識の強大な力を有効に引き出すためには、このアファメーションを利用するという考えがあります。アファメーションは毎日唱えていれば自己暗示程度にはなりますから、全く無意味といえません。これは口に出して言う必要があります。人間は耳から入った自分の声によってたやすく暗示にかかるからです。しかしそれだけでは成功はしません。他の章でも書きましたが成功するためには、成功するまでのタスクを分解し無意識でこなす必要があるからです。

ではどうしたら潜在意識を動かして成功へ導くことができるのでしょう?そのキーワードになるのが「変性意識状態Altered State of Consciousness, ASC)」です。この変性意識状態とは「日常的な意識状態以外の意識状態」のことをいいます。なぜ変性意識状態が必要なのでしょう?その理由は上記したように、人間は生存の危機などの特殊な状況以外、潜在能力が活用できないからです。逆に言えば、脳にそう思わせることができれば、能力は飛躍的に向上します。この状態が変性意識状態なのです。

次の章ではこの変性意識状態がどうやって潜在意識に働きかけるかを解説していきます。

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